
● 上の方にいるのがブッチャーバードのヒヨコ
バックヤードの前の木にヒヨコがやってきた。
「続・野鳥と遊ぶ」が今月で終了するので、挨拶にやってきたのだ。
と、勝手に想像をする。
この想像力が「野鳥と遊ぶ」ということ、などと屁理屈をつけている。
だんだん『ツチヤの口車』に似てくる。

● 左上にブッチャー、右下はロゼーラ
ロゼーラもやってきた。
最近は、ハトに追い出されてエサを採れなくなって、我が庭を見限っていたが、「終了」ということで、駆けつけてくれた。
鳥はみな義理堅い。
塀際までいって、ヒヨコと会話する。
ヒヨコ語で。
親鳥は襲ってこない。
あまりに親しく我が子と語らっているので、手を出しづらいのであろう。

「おやめになるんですって」
「ああ」

「どうして」
「忙しんだよ」

「そうですか」
「短い付き合いだったな」
「ええ、残念ですね」
「そうだな」

「写真を撮らしてもらうよ」
「どうぞ、これが最後ですから」

ヒヨコはあっちコッチとポーズをとってくれて、なんとなんと135枚も撮ってしまった。
「続・野鳥」で一番量を撮った鳥はブッチャーバードがダントツであろう。
おそらく千枚を超えることだろう。





「では、サヨナラ」
「オマエも、元気でな」





と、ここで綺麗な別れをもってハッピーエンドとなるのだが、そうはいかない。
鳥の世もいろいろある。
ヒヨコは我が家の屋根のアンテナへ飛んでいった。
そこにすかさず、これまでジーッとしていた親鳥が駆けつける。
「ボウヤ、大丈夫だったかい」
「だいじょうぶだよ」

「ナニかされなかったかい」
「なにも」

「あの人は、ワルイヒトなんだよ」
「?」

「今、こらしめてやるからね」
「?」


「あああ!」

【おわり:end】
[◇ Mokuji ◇]
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