2009年10月30日金曜日

【10月30日】 「サヨナラ」は別れの言葉[end]


● 上の方にいるのがブッチャーバードのヒヨコ


 バックヤードの前の木にヒヨコがやってきた。
 「続・野鳥と遊ぶ」が今月で終了するので、挨拶にやってきたのだ。
 と、勝手に想像をする。
 この想像力が「野鳥と遊ぶ」ということ、などと屁理屈をつけている。
 だんだん『
ツチヤの口車』に似てくる。


● 左上にブッチャー、右下はロゼーラ


 ロゼーラもやってきた。
 最近は、ハトに追い出されてエサを採れなくなって、我が庭を見限っていたが、「終了」ということで、駆けつけてくれた。
 鳥はみな義理堅い。

 塀際までいって、ヒヨコと会話する。
 ヒヨコ語で。
 親鳥は襲ってこない。
 あまりに親しく我が子と語らっているので、手を出しづらいのであろう。



 「おやめになるんですって」
 「ああ」



 「どうして」
 「忙しんだよ」



 「そうですか」
 「短い付き合いだったな」
 「ええ、残念ですね」
 「そうだな」



 「写真を撮らしてもらうよ」
 「どうぞ、これが最後ですから」



 ヒヨコはあっちコッチとポーズをとってくれて、なんとなんと135枚も撮ってしまった。
 「続・野鳥」で一番量を撮った鳥はブッチャーバードがダントツであろう。
 おそらく千枚を超えることだろう。











 「では、サヨナラ」
 「オマエも、元気でな」











 と、ここで綺麗な別れをもってハッピーエンドとなるのだが、そうはいかない。

 鳥の世もいろいろある。
 ヒヨコは我が家の屋根のアンテナへ飛んでいった。
 そこにすかさず、これまでジーッとしていた親鳥が駆けつける。

 「ボウヤ、大丈夫だったかい」
 「だいじょうぶだよ」



 「ナニかされなかったかい」
 「なにも」



 「あの人は、ワルイヒトなんだよ」
 「?」



 「今、こらしめてやるからね」
 「?」







 「あああ!」




 【おわり:end】




[◇ Mokuji ◇]



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2009年10月27日火曜日

【10月27日】 もう飛べる



 ヒヨコは十分大きくなって、ゆうゆう飛べるようになってきました。
 よって、あちこち出かけていっています。
 このところ出会わないのは、ヒヨコの散歩が激しくなって、親鳥がその後ろについて回るようになったためです。

 でも古巣なのでしょう、時々帰ってきているようです。
 そういうときに出くわすと襲撃を受けます。
 でもこれまでとはちがって、軽やかな威嚇だけ。
 私を狙っているとき、ヒヨコが飛び立つと、こりゃ大変と大急ぎでその後を追うのが、ちょっとばかり滑稽です。





 この稿も今月をもって終了します。
 もし、土曜日まで新たなエピソードがなければ、これをもって「終了」とします。



[◇ Mokuji ◇]



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2009年10月23日金曜日

【10月23日】 ヒヨコも大きくなった




 ブッチャーが地面でついばんでいる。
 珍しい。
 しばらく見かけなかった光景。



 何故、攻撃してこない、と思ったら後頭部で「パチン」と撥ねた。
 ちょっと弱弱しい、
 2羽いるということは、探してみた。
 ヒヨコがいた。









 まだ尻尾は生えきっていませんが、もう十分飛べます。
 あと、どのくらいで親元を離れるのだろう。
 そのときは、襲撃がなくなる日でもある。



[◇ Mokuji ◇]



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2009年10月21日水曜日

【10月21日】 ルールが変わった




 いつものようにカメラをぶるさげてテラスからバックヤードに降りた。
 数歩進んだら、後頭部でバチーンときた。
 アレ?、いつもとは違う。



 上の写真でみるように緑地に出るには幅1mほどの木戸を開ける(支柱の間が木戸になっている)。
 そこからはいつ襲われてもいいように、テンションを高めて防御の心理構えに入る。
 内容は「攻撃は無視する」というものである。
 出掛けではバックヤード内では手を出さない、という「暗黙の了解?」があった。

 往きと帰りとではパターンは違う。 
 帰りは攻撃を受けながら帰ってくるので、バックヤードでも襲われる。
 これはしかたがない。
 でも、往きは木戸を出て、緑地に入ったときからである。
 バックヤードは私のテリトリーである。
 今日は違う。
 なんと木戸の前にある木に止まって、私がバックヤードの出るのを狙っていた。
 「そいつはネエだろう!」
 これはルール違反である。


● バックヤード前の木で攻撃態勢に入っているブッチャー

 文句をいっても始まらない。
 ここは「鳥治国家」である。
 人治・法治ではない。

 鳥は人を殺してもいいが、人は鳥を殺してはいけない。
 動物愛護が徹底している国。
 だから、鳥と犬がのさばっている。

 明日からは、いつでもどこでも全方位防御で臨まないといけない。
 外気に触れたらもはや安全地帯はないと心得ないといけない。



[◇ Mokuji ◇]



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2009年10月19日月曜日

【10月19日】 フィグバードに何が起こった!


● 「巣2」の状況


 このところやけにフィグバードの数が多い。
 一昨日など電線に10羽も並んでいた。
 
 朝方、巣2を見上げてみた。
 「巣がない!」
 なに!、
 場所を間違えたかな、そう思った。
 4本目の木である。
 場所はあっている。

 下の写真を見てください。
 上は一昨日のもの、下は今朝のもの。
 




 見上げている場所もあっている。
 巣がない。
 巣があるべきところが透けて、空が見える。
 何が起こった!
 巣の回りは残っている。
 が、底がほとんど抜けている。

 一昨日は抱卵していた。
 シッポが見えるので、そこに鳥がいることが分かるし、動いていたのを確認している。
 ただ「抱卵」していたかについては定かでない。
 というのは、この巣を見つけてからずいぶん日時がたっているし、もしかしたらタマゴではなくヒナになっており、それを見守っていたのかもしれない。
 そのせいか、下から見上げているとスーと離れて電線へ移ってしまうことが度々あった。

 疑問に思うのは、もし仮に、ヒナが育ったとして、巣立ちしたとき、親鳥はその巣を壊すものなのだろうか。
 床にしていた藁などを捨てて、そこに巣があった痕跡を消してしまうような行為をするものなのであろうか。
 これはワグテールの場合とよく似ている。
 私はワグテールは巣換えのために引越しをし、そこへ旧の巣の藁などの部材を運んでいったもの解釈した。
 が、フィグバードは巣換えはしていない。
 ヒナが育った、と判断したほうがいい。
 この回りのフィグバードの数が多くなっていることや、ひじょうに写真が撮りやすくなっていることを見ると親鳥というより幼鳥が巣立ったとみていいように思われる。
 とすると、使用済みになった巣をどうするかである。

 ワグテールは明らかに、そこに巣があったという痕跡すらも残さぬように壊している。
 下から見上げるかぎり、フィグバードは底にあったであろうワラを捨てている。
 周囲の枠は残している。
 が、視野をさえぎる底がなくなったため、そこに巣があったとは思えないような形になってしまっている。
 つまり、フィグバードはワグテイルと一見類似した行動をとっていることになる。
 
 一部の鳥には、使用済みの巣に手をいれ、巣があったことが知れないようにするという習性があるのであろうか。
 もしそうなら、それなりに知識が一つ増えた、ということになる。
 もちろん、それが正しいと確定できるわけではないが。


 写真はフィグバードのもう一つの巣である、「巣1」である。
 枠だけ残して、ワラなどは消えている。



● 「巣1」の現況


 参考に下の写真はブッチャーバードの巣を下からと横から撮ったものですが、これはそっくりそのまま残っている。




● 今日のブッチャーバードの巣


 なを、マイナーも巣はしっかりと残している。

 フィグバードといえば赤目だが、これヒヨコあるいは幼鳥だろうか。






 ブッチャーバードの巣、そしてフィグバードの2つの巣、みな空になりました。
 よって本稿は、ブッチャーの襲撃が終えるのを待って終了ということになります。

 さてさて、ブッチャーはいつまで攻撃を続けるつもりだろうか。
 ヒヨコも幼鳥になり、自分でエサを採れるようになれば、親の庇護から離れていくことでしょう。
 あと、何日くらいだろうか。




【◆ 補筆 ◆】

 後のこと。
 フィグバードの巣の木の近くで写真のものを拾った。



 まずは、羽毛。
 見てすぐわかるがモワモワと」したヒヨコの毛。
 この近くでこの時期でのヒヨコといえばフィグバードしかいない。
 真っ直ぐの伸ばすと短いほうが4cm、長い方は5cmほどになります。



 この羽毛と同じものがついているのが、下のマットもどき。
 横に羽毛が見える。
 直径で10cmほど。
 写真は表裏です。





 もう一つもマットもどき。
 これはしっかりとワタが入っていて、筋もきっちりとからんでいて丈夫である。
 このワタはもちろん木綿の綿ではない。
 花が実や種になるとき、その回りを包んでいる、毛である。
 直径は8cmほどで、厚みはホワッツとしたときで1cmくらいである。
 非常に軽い。
 なを、青い糸は縫い糸である。
 どこかから、拾ってきたようだ。





 この3品から想像できることは、これはフィグバードの巣のもので、丈夫な方のマットは、このようなものが数枚巣の底に敷かれて卵を支え、薄手のマットは巣の内壁に使われていたのではないだろうか、ということ。
 そして、使用済みになったとき、巣はそのまま放置された。
 が、マット類はひじょうに軽いので風に吹き飛ばされ巣から落ちてしまった。
 別にフィグバードには巣を撤去する習性などはなく、やりっぱなしで放置した、というのがどうも正解のように思える。



[◇ Mokuji ◇]



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